アサヒナカワトンボ Mnais pruinosa Selys 1853

アサヒナカワトンボ♂茶翅型 forma puruinosa
  日本産カワトンボ(Mnais)属の種名・亜種名については永らく論争の的となってきました。
 今までの説は
 カワトンボ1種としてその中にヒガシカワトンボ・ニシカワトンボ・オオカワトンボの3亜種があるという説。
 カワトンボとオオカワトンボの2種とし、カワトンボをニシカワトンボとヒガシカワトンボの2亜種とする説。
 その他、オオカワトンボ・ニシカワトンボ・ヒガシカワトンボの3種説。
 それに、ヒウラカワトンボを加えた4種説。
 などがあったのです。
 (林・土畑・二橋)は2004年核DNAのITS1の塩基配列の解読による分類を試み
オオカワトンボ M.costalis selys,1869 (ヒガシカワトンボを含む)と
カワトンボ M.strigata Selys,1853 (ヒウラカワトンボとニシカワトンボを含む)
の2種であると発表しました。
 ヒガシカワトンボとオオカワトンボとの違いに疑問を持っていた筆者としてはこの説に大賛成です。
 ニシカワトンボはアサヒナカワトンボ Mnais pruinosa。
オオカワトンボはニホンカワトンボ Mnais costalis
と和名を変更することになりました。
 

 さて、写真のアサヒナカワトンボは茶翅型と呼ばれ大分県以南に生息し、県内では中央構造線以南に生息します。
 橙色翅型はその北側に分布し境界線付近二つの型が融合したタイプが見られます。
透明翅型 forma strigata
橙色翅型 forma esakii