Gynacantha japonica Bartenef |
「ムクん山」が少年時代の私の遊び場でした。教室でもあり、おやつを供給してくれる所であり、アスレチック フィールドでもありました。 ムク、タブ、エノキ、シイで構成される巨木の森でした。 森の奥に岩山があり、その斜面は大きくなれないシイの潅木がびっしり茂っていました。 ある夏の日の昼下がり、その潅木の細い枝に数十匹のカトリヤンマがひっそりとぶらさがっていました。 ヤンマ類が森の中で午睡をするのだと知ったのはそれから20年以上たってからのことでした。 ムクの実の柔らかな香りと有るか無きかのかすかな甘みと共にカトリヤンマの午睡を思い出します。 |