1950年代以前の生息域
鹿児島県から岩手・秋田までの広範囲に生息していたが、生息条件の特殊性から生息地は局地的であったと推測されます。

1969年の生息地。
この頃から生息地が急速に減少し始める。農薬の使用量が増大したことと生息地が埋立てられた事による消滅が主たる原因と思われます。

2003年現在の生息地
8県22ヶ所で生息しているが、各生息地は地理的に孤立しており今後も生息地個体群の遺伝的孤立が続けば、生息地は減少すると思われます。

 韓国における生息状況
 国外におけるベッコウトンボの生息状況はどの文献を見ても朝鮮半島及び中国中北部となっています。
 中国中北部とは何処を指しているのか具体的な地名が出てこないので地域が正確にはイメージ出来ませんが、かなり、広い地域に分布していたのであろうことは想像できます。
 朝鮮半島における分布で、北朝鮮での分布は全く分かりませんが、韓国内の分布は半島西岸に沿った地域であろうと思われます。
 2001年5月、韓国内のベッコウトンボ生息確認調査を行いました。
  調査は元ソウル博物館館長の李承模氏の協力を得て、同氏の生息地情報をもとに行われました。
 調査の結果、いずれの池でも生息は確認出来ませんでした。大変気になったのは調査したいずれの池でも池周辺で農薬が多量に使われている雰囲気が感じられ、中でも除草剤の使用が目立ち、これではベッコウトンボは生き残れないなと感じました。
 今回の調査では生息は確認できませんでしたが、池の上流に農業用地がなく農薬等の流入がない池を中心に調査すれば生息地が見つかる可能性は十分あると考えられます。
2006年ソウル近郊で見つかりました。